「……志摩」
「ん?」
悔しいよ。
悔しいよ、バカ志摩。
「あたしが快二に告白されたの見たよね?」
なんで何も気にしてくれないの?
「あ、あぁ。ごめん、見るつもりじゃ」
「何か思わなかった?」
アイツ、俺のこと好きなんだよな?とか快二に振り向くなよとか……そういうの……ちょっとでも思わなかった?
「何かって……そりゃ思うよ」
え?
あたしは志摩の目を見る。
「告白現場に初めて居合わせちゃったし、邪魔したなって思った。しかも快二だし……こっちまでドキドキしたよ」
照れ臭そうに言う志摩。
「……志摩のアホ!バカ!」
あたしは志摩にそう言い放つと、スタスタとゴミ捨て場へ向かう。
何なの、この鈍感バカ男!
あたしが聞きたいのはそんなことじゃないの!
「おっ。おい城薗さん!」
後ろから志摩の声が聞こえるけど、ガン無視。
あたしが欲しい言葉なんて、志摩の中にないんだ。
あたしを気にしてくれてるんじゃないかな、なんてちょっとでも期待したあたしがバカだった。


