GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~




「城薗さんっ」


ギクリ


その声に反応したあたしは立ち止まる。掃除時間。ゴミ捨てジャンケンで負けたあたしは、ゴミ捨て場へ向かっていた。


「俺もゴミ捨てなんだ。一緒行こ!」


声の主は志摩。いつもなら嬉しくてニヤけてるところだけど、今はいろんなことを考えすぎてそんな余裕もない。


「今日もさみーなぁ」


他愛もない世間話をする志摩。軽く相槌を打つけど、なかなか会話は入ってこない。


志摩、あたしがバレンタイン渡してないこと……気にしてない?


志摩、あたしが快二から告られたの見たよね?ねぇ……気にならない?


聞きたいのに、下唇を噛むだけで言葉にできない。


「そういえば、昨日」


ドキッ


志摩から出た言葉に体が反応する。


「呼び出したのって何か用事だった?」


まずはその話題らしい。


「あ、うん。ほら、しっ、志摩チョコ貰えたのかなって思ってさ。ほら、こんなヘボっちい志摩に渡す人いるのかなって思って」


「おい、それヒドイだろー?」


コツンと志摩の拳が、あたしの頭に軽く当てられる。