「もちろん、お父さんの分もあるんだよな?」


そこへ、お父さんがリビングへ来た。


「えー、お父さんの分はカウントしてないけど?」


娘の一言にちょっぴりショックを受けている様子の父。


「お父さん、そんなにショック受けなくても大丈夫。ちゃんと用意してあるみたいよ」


お母さんがふふっと笑ってフォローする。


「シ、ショックなんて受けてないからな。で、でもお父さんにもあるんだな~」


目が泳いでるよ、お父さん。あたふたしてリモコンのボタンを押すお父さんを見ながら、心の中で呟いた。


「あっ、お母さん、今日は部活だから帰り遅くなるから」


「分かった。あっ、ラブの報告待ってるね」


「んー、押して押して押しまくってるけど、一度フラれちゃってるからどうかなぁ」


「フラれた?いつの間に?誰に?」


お父さんの質問がぶっ飛んできた。


げ。お母さんにはベラベラ恋バナしてるけど、お父さんがいるの忘れてた。


「お父さん、今日は朝から会議でしょ?そろそろ時間じゃない?」