「ん?どうした?」
「今日の帰り、どーすんの?一緒帰るか?」
一応言っておくが、一緒帰る=俺と城薗と准で帰るということだ。
「今日は料理部で帰るからパス!志摩によろしく伝えててー」
今日の帰りは、男同士の語りとなりそうだ。
「キャー!山本くーん!」
なんだろう。
今日はやけに黄色い歓声が飛ぶ。
「俺、いつもよりカッコイイ?」
「なわけあるか。あれだろ、バレンタインも近いから、女子達も本気出してんじゃね?」
休憩中、部員に冗談を言うとこの返しが飛んできた。
「アピール歓声?」
「まぁ悪い気はしないっすけどね」
そう言って、女子軍に手を振る山本。途端に大きな悲鳴が響く。
この山本は1年のモテ男。ショートで動きが良く、チームメートとしてはいい奴だが……ちょいナルシスト。
「お前、チョコの量すごそうだな」
「快二さんこそ。去年結構もらったみたいっすね」
そんな情報も回ってくんのか。


