「何話してたんだよ」
つい、聞いてしまう俺の口。
「ふふっ、昨日のテレビの話」
「ふーん」
内容がどんなことであろうと、会話が楽しそうだったのは目に見えて分かる。
「自分から聞いてきたのにつまんなさそーじゃん、快二」
「別に」
そのまままたガールズトークへ戻った城薗。俺は何をするわけでもなく、机にうつ伏せた。
「よし!今日で補習は終わりだ!いやー先生も今日まで頑張ったと思うよ」
放課後、石田がそう言って一人で拍手をする。今日で2週間の補習が終了するのだ。
「ということで、最後の課題だ。今から配るから解くように!」
前から順にプリントが配布される。
「これさえ終われば部活に専念できる!」
どうやら、城薗は燃えているようだ。
「あれのためだろ」
「あれ?」
「そうだよ。ほら、バレンタイン……」
なぜか言うのが恥ずかしくなって、最後は声が小さくなる。


