GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~




「あぁ。汗くせぇまま電車に乗れるかよ」


「俺も土まみれのジャージじゃ嫌だしな」


吐く息が白い。ほんのり頬に当たる風は、より寒さを漂わせる。


「そういえば、2人とも補習お疲れ様」


志摩が言う。


「快二さ、部活に来るの遅くて、監督に怒られてたんだぞ」


「そうなの?快二ってば、あたしと同じくらいに終わったからねー。もう少し早く解けなかったものかね~」


「お前が言うな」


ポカッと快二に頭を叩かれる。と、同時にさっきの石田の言葉が頭の中を過った。


【アイツ、課題終わってたのに、お前のこと待ってたぞ】


まさか、ね。


「……もしかしてだけど、快二あたしのこと待っててくれた?」


なぜか、石田の言葉が気になって快二に聞く。


「は?んなわけねーだろ。真面目に問題解いてただけだ。部活に行きたいのにお前を待つかよ」


動揺もせずに答える快二。


「だよねー。変な思い違いすみませんでしたっ」


うん、やっぱり石田の勘違いだ。