ふふ、石田の弱点は知ってるんだよーだ!
ヴーヴー
【正門にいるから】
快二からのライン。あたしはすぐさま正門に向かった。
「2人ともお疲れ!」
正門に着くと、練習着から制服へ着替えた2人があたしを迎えてくれた。
「あっ、快二マフラーとパーカーありが」
「いーよ。まだ使っとけ」
そう言いながら背を向けた快二。
「……あ、ありがとう」
快二、寒がりだったような?まぁ、部活の後だから寒くないのかな?
「城薗さん、手も寒くない?」
すると、志摩から話しかけられる。え!この展開ってもしかして、志摩と手を繋いで帰れちゃう感じ!?
「手袋貸すよ。ちょっと大きいかもしんないけど」
志摩から手渡されたのは、あたしには少し大きめの手袋。
志摩と手を繋げるかと思ったのに……惜しい。
「あ、ありがとう。れ、練習着で帰らないんだね?」
それでも、志摩から手袋を借りてニヤけてしまいそうな頬を見られないように、話題を変えて歩き出す。


