意外と逃げ足の速い小さな背中を追いかける。


なぁ、城薗。


こんなちょっかいでも嬉しいんだよ。


お前とこうやって話せることが嬉しいんだよ。


ほら、そうやって振り返って俺を見てくれんのもニヤけんだよ。


「コラー!お前ら止まれーっ!」


そして、生徒指導の怖~い先生に捕まってしまった俺達。


「先にちょっかいを出したのは城薗です」


「女子相手と知りながら、全力で追っかけてきたのは高橋です」


おいおい、お前の発言おかしくね?


「ったく、今掃除したばっかりだろーが。お前ら今走ったところもう一度掃除しろ。いいな!」


というわけで、城薗と今走ってきたルート(約100m)を拭き掃除する羽目になった。


「なんで俺まで……」


大きなため息をつきながら、床と向き合う。


「快二が浮かない顔してたから、笑ってもらおうとちょっと茶化しただけなのにさー」


城薗も城薗でブツブツ言ってる。