やべ、嬉しい。
だけど、俺は素直になれない。
「これ毒入ってんじゃねーの?」
こんな毒舌なこともベラベラ喋っちゃう。
「そんなこと言うんだ?じゃあいいよ。あっ、佐々木!このクッキー食べる?」
すると、城薗は近くにいたクラスメートへ声をかけた。
「く、食うって!」
俺はすぐさまラッピングされた紐をほどき、クッキーを取り出す。クリスマスツリーの型とサンタクロースのクッキー。
「……おま、結構クオリティー高ぇな」
「快二が褒めるなんて気持ち悪いなー。ほら、食べてっ」
急かされて一口食う。
「んまい」
「本当?よかった~。それなら志摩にも渡せるっ」
え。
准の名前が出て、俺の目はクッキーから城薗へ向かう。
「アイツにも渡すの?」
「うんっ。クリスマスに会えないから、今日渡しとこうと思って」
「……俺は毒味かよ」
「バレた?」
ニヤッと笑う城薗。


