GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~




「快二お疲れー!」


顔に滴る水滴を拭きながら部室へ向かっていると、後ろから准の声がした。俺はゆっくりと振り返る。


「お疲れ」


「いやー、今日も暑かったな」


准はマネージャーでも筋トレやアップはするし、練習にも参加するから選手同然だ。


「それにしてもさ、快二最近調子悪そうだけど、何かあったのか?」


何度も監督に注意されたから、准がこう思うのも無理はない。


「暑さで頭がイカれたんだろーな」


「ははっ。お前それ以上バカになったらどうすんだよ」


おいこら、傷つくようなこと言うなよ。それから部室で着替えを済ませて、いつものように駅まで准と歩きだした。





「城薗さんのこと……だよな?」


校舎を後にしてすぐ話しかけてきた准の言葉に、俺は何も言い返せない。


「ごめん。知ってると思うけど、告白されて断った」


「……知ってる」


「そっか」


知りたくなくても、その場で見てたし。