「文化祭で求婚?」
「ろ、老若男女に好かれるだけだ」
「自分で言うなっての」
「本当のことだろー?」
鼻を高くする快二に、やれやれと両手で大袈裟なリアクションをとるあたし。
そして、再び宣伝を開始して少しした時だった。
「城薗」
快二が話しかけてきた。
「何よ。もう老若男女の話は終わっ……」
「准から逃げんなよ」
「えっ……」
突然出た志摩の名前にどぎまぎする。
「アイツ、どうやってお前に声をかけたらいいか迷ってるし、お前から告ったのに、言いっぱなしは良くねーぞ」
快二が言う言葉は図星だ。
「分かってる。それに……も、もう逃げないよ。今日ハッキリさせるつもりだし」
「……そっか」
それから快二と会話はなく、そのまま宣伝時間が終わった。お昼前だしそろそろクラスも混んでるかな、なんて思いながら教室へ足を進める。
「そろそろ、料理部のあたしの助けが必要になる頃かなー?」


