肩と首の痛みに、ふと顔をあげる。
そこには、見守るように白河さんが見ていてくれた。
そんなことにあたしは胸が熱くなると同時に、焦り始めた。
あたしが尋常じゃないほどの集中力をみせたのか、時間と経過なんて気にする余裕もなかった。
彼女の背後で夕日を吸い込み終わったことを示す時計は、間もなく、縦に一直線になりかけていた。
「や、やばい!」
あたしのいきなりの大声に白河さんはビクンと肩を震わせた。
「…ど、どうしたの?」
「もうこんなに真っ暗じゃない!」
慌ててブレスレットを中断させて席を立つ。
教室の窓ガラスの外はすでに藍色の空で、風に吹かれる木の葉が痛そうだった。
「白河さん、遅くまでつき合わせちゃってごめんなさい!」
顔の前で両手をこすり合わせる。
とにもかくにも、急いで片付けなければ。
「あたしは大丈夫だけど…橘さんこそ、平気なの?」
いつの間にか窓際に移動していた白河さんは、ガラスにそっと手をかけて外を見ていた。
そおっとブレスレットを小さなビニール袋に入れると、あたしもそこへ駆け寄る。
薄暗い校門では、部活動を終えただろうジャージ姿の生徒たちが帰路につく姿。
その中に、キラリと一番星のように浮いている少年がいる。
「彼……『番犬くん』でしょ?」
そこには、見守るように白河さんが見ていてくれた。
そんなことにあたしは胸が熱くなると同時に、焦り始めた。
あたしが尋常じゃないほどの集中力をみせたのか、時間と経過なんて気にする余裕もなかった。
彼女の背後で夕日を吸い込み終わったことを示す時計は、間もなく、縦に一直線になりかけていた。
「や、やばい!」
あたしのいきなりの大声に白河さんはビクンと肩を震わせた。
「…ど、どうしたの?」
「もうこんなに真っ暗じゃない!」
慌ててブレスレットを中断させて席を立つ。
教室の窓ガラスの外はすでに藍色の空で、風に吹かれる木の葉が痛そうだった。
「白河さん、遅くまでつき合わせちゃってごめんなさい!」
顔の前で両手をこすり合わせる。
とにもかくにも、急いで片付けなければ。
「あたしは大丈夫だけど…橘さんこそ、平気なの?」
いつの間にか窓際に移動していた白河さんは、ガラスにそっと手をかけて外を見ていた。
そおっとブレスレットを小さなビニール袋に入れると、あたしもそこへ駆け寄る。
薄暗い校門では、部活動を終えただろうジャージ姿の生徒たちが帰路につく姿。
その中に、キラリと一番星のように浮いている少年がいる。
「彼……『番犬くん』でしょ?」


