【短】流星☆BOY〜星に願いを〜

「いーい?そこは、こうして……」

「う、うん…っ」


 あたしは真剣に白河さんの手元を見詰めていた。

そうでもしないと、きちんと作れない気がして。


 放課後、リュウセイに渡した未完成のブレスレットのあまりで、あたしはもうひとつ作ろうとしていた。


 勉強はできる。

けど、どうやら裁縫とか料理とか…。

ましてやアクセサリー作りなんて高度な技術は、生憎持ち合わせていなかった。


「あっ、ああ……っ!」

 見よう見まねでテグスの先しか見ていなかったから、気がついたら手のひらから零れ落ちてしまった飾りたち。

あたしは慌てて机から落ちないように、机の淵を囲うように腕を広げた。


 バラバラと散乱してしまったけど、なんとか床への落下を防ぐことに成功し、ほっと安堵のため息をもらす。


 そして、一連の動作を見ていたのか、頭上からはクスリと笑いが降ってくる。


 ゆっくり顔をあげると、そこにはあたしの…友人。


「ほーんと、橘さんって見かけによらず不器用よね」

 そういいながら、ばら撒かれてしまった飾りたちを丁寧にテグスに通していく。


「見かけによらず…は、余計よ」

「あははっ」


 若干、うまくいかなくて苛立っていた。

ぷんとそっぽ向くと、更に彼女は笑い始める。



 もし、この隣にリュウセイがいたならば……。


そんなおぼろげな想いを必死に振り払い、もう一度目の前のブレスレットに取り掛かった。