「いーい?そこは、こうして……」
「う、うん…っ」
あたしは真剣に白河さんの手元を見詰めていた。
そうでもしないと、きちんと作れない気がして。
放課後、リュウセイに渡した未完成のブレスレットのあまりで、あたしはもうひとつ作ろうとしていた。
勉強はできる。
けど、どうやら裁縫とか料理とか…。
ましてやアクセサリー作りなんて高度な技術は、生憎持ち合わせていなかった。
「あっ、ああ……っ!」
見よう見まねでテグスの先しか見ていなかったから、気がついたら手のひらから零れ落ちてしまった飾りたち。
あたしは慌てて机から落ちないように、机の淵を囲うように腕を広げた。
バラバラと散乱してしまったけど、なんとか床への落下を防ぐことに成功し、ほっと安堵のため息をもらす。
そして、一連の動作を見ていたのか、頭上からはクスリと笑いが降ってくる。
ゆっくり顔をあげると、そこにはあたしの…友人。
「ほーんと、橘さんって見かけによらず不器用よね」
そういいながら、ばら撒かれてしまった飾りたちを丁寧にテグスに通していく。
「見かけによらず…は、余計よ」
「あははっ」
若干、うまくいかなくて苛立っていた。
ぷんとそっぽ向くと、更に彼女は笑い始める。
もし、この隣にリュウセイがいたならば……。
そんなおぼろげな想いを必死に振り払い、もう一度目の前のブレスレットに取り掛かった。
「う、うん…っ」
あたしは真剣に白河さんの手元を見詰めていた。
そうでもしないと、きちんと作れない気がして。
放課後、リュウセイに渡した未完成のブレスレットのあまりで、あたしはもうひとつ作ろうとしていた。
勉強はできる。
けど、どうやら裁縫とか料理とか…。
ましてやアクセサリー作りなんて高度な技術は、生憎持ち合わせていなかった。
「あっ、ああ……っ!」
見よう見まねでテグスの先しか見ていなかったから、気がついたら手のひらから零れ落ちてしまった飾りたち。
あたしは慌てて机から落ちないように、机の淵を囲うように腕を広げた。
バラバラと散乱してしまったけど、なんとか床への落下を防ぐことに成功し、ほっと安堵のため息をもらす。
そして、一連の動作を見ていたのか、頭上からはクスリと笑いが降ってくる。
ゆっくり顔をあげると、そこにはあたしの…友人。
「ほーんと、橘さんって見かけによらず不器用よね」
そういいながら、ばら撒かれてしまった飾りたちを丁寧にテグスに通していく。
「見かけによらず…は、余計よ」
「あははっ」
若干、うまくいかなくて苛立っていた。
ぷんとそっぽ向くと、更に彼女は笑い始める。
もし、この隣にリュウセイがいたならば……。
そんなおぼろげな想いを必死に振り払い、もう一度目の前のブレスレットに取り掛かった。


