【短】流星☆BOY〜星に願いを〜

 自分でも答えになっていないのは、わかっている。

白河さんはきょとんとした瞳で見つめてきた。


「さては、……寝てないでしょ?」

「えっ…?」

 まったくかみ合わない会話に、あたしが戸惑ってしまう。

そして白河さんは容赦なく、人差し指であたしの鼻の頭をつついてきた。


「ひっどい顔!流星くんが帰ってきたらフラれるわよ?」


 確かに、リュウセイがいなくなって熟睡なんて出来ていなかった。

寒い真夜中にまたどこからか降ってきそうで…。



「ヒメリ、ただいま!」


 そういって笑ってくれるのを、いつもベッドの上で探している。

無情にも、映し出す窓の向こうにはただ闇が広がり、キラキラと星が瞬くだけなのだ。



 
「フラれちゃう…か。……そう、かも」


 多分、意地悪でいった言葉なんだろうけれど、今のあたしにはそれを聞き流すほどの余裕がなかった。


 むしろ、あたしはまだ気持ちを伝えていないのだから、まだ引き返せるのかもしれない。

自嘲したあたしに、白河さんはさらに眉間に皺を寄せた。


「んもうっ!きちんと寝て、いつもみたいにクールビューティー気取ってなさいよ!」

 プンとむくれて、少し明るい色の入った彼女の髪が揺れた。