【短】流星☆BOY〜星に願いを〜

 あたしが覗き込むと、リュウセイの大きな瞳は大きく揺らいでいた。

「…ヒメリ……」

 か細い声に、あたしまで涙ぐんでしまう。

まだ泣くわけにはいかない。


「リゲルもリュウセイも、一緒に前に進まなくちゃ!……ね?」


 言い終わると同時に、長い腕が伸びてあたしを暖かく包む。


 …もう少し、笑える。



「ねえ、ヒメリ。僕だけ置いて綺麗にならないで?」


 耳元を溶かすようなリュウセイの優しい声。


温かいリュウセイの鼓動が、あたしの心臓近くで鳴り響くのが嬉しくて、切ない。


「ばか……なにいってんの」

 いつもみたいに切り返して、あたしは腰に手を回した。


「でも、信じて?」


 リュウセイがあたしの肩を持って少し距離を置くと、コツンと額同士がぶつかった。

目の前には、まっすぐな視線。



「僕が大好きなのはヒメリだからね」


 甘い言葉に、ハチミツスマイル。

リュウセイの手ごわい武器に、あたしはやっぱり成す術がない。


 少し笑いながら、それでも目を見て言えた。


「か……勝手に、なにいってんのよっ」

 精一杯のあたしの強がりさえ見透かすように、リュウセイは笑ってくれる。

あたしを包む腕に更にぎゅうっと力が加わり、もっと体温が上がった。



「だって、ヒメリは僕のお嫁さんだよ?」