【短】流星☆BOY〜星に願いを〜

「リゲルは…いつだって僕たちのリーダーだったんだ。リゲルが考える遊びはいつだって楽しかった」


 少し歩いて、家の近くの公園まで来ていた。

道路に面したベンチは人目が気になるので、ブランコを囲う柵に腰掛けたリュウセイにあたしも並んだ。


 冬だということもあって辺りはシンと静寂が支配している。


 俯き加減なリュウセイの横顔は、いつのまにか引き締まっていて喉のラインもくっきりしてきていた。


だから余計に、胸がチクチクしたのかもしれない。


「僕の周りは王位争いでギスギスしてた。そんな中でリゲルはお構いなしに僕に会いに来てくれて……。
僕は、嬉しかったんだ」

 こんな笑い方、ベティもしていたな。

数時間前にみたはずなのに、ずいぶん昔にみたような気がする。


 ふと視線を落としたリュウセイの言葉を、あたしはずっと黙って聞いていた。


「捨てられっ子・リゲル―…孤児のリゲルは、そう呼ばれてた。
でもそんなの気にも止めずに明るく育ったのは、育ての親でもあるステラのおかげなんだよ」

 捨て子…聞きなれない単語に、あたしは戸惑ってしまう。

現実にもそういう話はなくはないけれど、近くで聞いたことなんてない。


 そんなあたしに気づいたのか、リュウセイは顔を上げると少し困ったように笑いかけてきた。


「だけどね、どんなに頑張ったところで、僕とリゲルは一緒になれないんだ」

「……どうして?」


 とても切なそうな表情。

本当にリュウセイなのか疑いたくなる。


「リゲルは……」