思いがけない励ましの言葉に、あたしは固まってしまった。
あたしはいつも誰かに背中を押されてばっかり。
それなのに、頑張っているって言い張るのが精一杯だった。
でも、あたしだって変わりたいって思ったんだ。
先輩に想いを伝えられたときに―……。
ひょうひょうとして見える先輩の背中は、やっぱりとても大きく感じた。
熱さをもった目の周りをハンカチである程度冷やすと、あたしはまた教室に戻る。
そこにはホームルームを終えてもまだ賑やかなクラスメートたち。
柄にもなく、その光景をみてホッとしてしまった。
「おかえり、橘さん」
そういって出迎えてくれたのは白河さん。
目があうと「あっ」と何かに気づいた様子だったけど、またいつもどおりに笑ってくれた。
…多分、あたしが泣いたのがバレたんだと思う。
何も聞かずに普通に接してくれたことが、すごく嬉しかった。
席に戻って急いでかばんに荷物を詰める。
すると、タイミングを計ったかのようにリュウセイがやってきた。
「ヒーメリっ、帰ろ?」
昼休みにあれだけ怒っていたなんて思えないほど、目いっぱいリュウセイは笑う。
本当のキモチを、隠してしまうみたいに。
「……うん、そうだね」
あたしはいつも誰かに背中を押されてばっかり。
それなのに、頑張っているって言い張るのが精一杯だった。
でも、あたしだって変わりたいって思ったんだ。
先輩に想いを伝えられたときに―……。
ひょうひょうとして見える先輩の背中は、やっぱりとても大きく感じた。
熱さをもった目の周りをハンカチである程度冷やすと、あたしはまた教室に戻る。
そこにはホームルームを終えてもまだ賑やかなクラスメートたち。
柄にもなく、その光景をみてホッとしてしまった。
「おかえり、橘さん」
そういって出迎えてくれたのは白河さん。
目があうと「あっ」と何かに気づいた様子だったけど、またいつもどおりに笑ってくれた。
…多分、あたしが泣いたのがバレたんだと思う。
何も聞かずに普通に接してくれたことが、すごく嬉しかった。
席に戻って急いでかばんに荷物を詰める。
すると、タイミングを計ったかのようにリュウセイがやってきた。
「ヒーメリっ、帰ろ?」
昼休みにあれだけ怒っていたなんて思えないほど、目いっぱいリュウセイは笑う。
本当のキモチを、隠してしまうみたいに。
「……うん、そうだね」


