【短】流星☆BOY〜星に願いを〜

 思いがけない励ましの言葉に、あたしは固まってしまった。

あたしはいつも誰かに背中を押されてばっかり。

それなのに、頑張っているって言い張るのが精一杯だった。


 でも、あたしだって変わりたいって思ったんだ。

先輩に想いを伝えられたときに―……。


 ひょうひょうとして見える先輩の背中は、やっぱりとても大きく感じた。




 熱さをもった目の周りをハンカチである程度冷やすと、あたしはまた教室に戻る。

そこにはホームルームを終えてもまだ賑やかなクラスメートたち。


 柄にもなく、その光景をみてホッとしてしまった。


「おかえり、橘さん」

 そういって出迎えてくれたのは白河さん。

目があうと「あっ」と何かに気づいた様子だったけど、またいつもどおりに笑ってくれた。


 …多分、あたしが泣いたのがバレたんだと思う。

何も聞かずに普通に接してくれたことが、すごく嬉しかった。


 席に戻って急いでかばんに荷物を詰める。

すると、タイミングを計ったかのようにリュウセイがやってきた。


「ヒーメリっ、帰ろ?」

 昼休みにあれだけ怒っていたなんて思えないほど、目いっぱいリュウセイは笑う。


本当のキモチを、隠してしまうみたいに。


「……うん、そうだね」