「…先輩……なんて、言いました?」
きょとんとみつめる先輩が、悩みもせずぽんと答える。
「だから、一生懸命『好き』なんでしょ?…流星くんが」
ニコニコと悪気なく断定する先輩。
その言葉の意味を、あたしはようやく理解する。
「ちょ、ちょっと待ってください!
あ、あ、あたし…べつにリュウセイのこと……っ!」
思わずガタンと椅子を揺らして立ち上がってしまう。
さっきまでピーピー泣いていた自分が嘘のようだ。
でもあたしの顔は、恥ずかしくて今にも爆発しそうなほど熱い。
おかげで図書室にいる人たちにジロリと睨まれるはめになってしまって、おとなしく腰を落とす。
目の前では、先輩が身体をくの字に曲げて必死に笑うのを耐えている。
あたしが困っているというのに。
「せ、先輩のせいですからね!」
小声で抗議をあげても、先輩はさらに笑うだけだった。
実は先輩ってば、イイ性格してるわよね!
だんだん怒りへと変わりそうなあたしは、いつの間にか拳が震えていた。
「ご、ごめ…っ!…ぷ、くく…っ」
ゴホンと咳払いをして若干ニヤつく顔を整えると、先輩は「まあ…」と言葉を続けた。
なんだか誤魔化された気がするけどね。
「彼なら…きっと一緒に向き合ってくれるよ」
先輩は、そう残して席を立つとチラリと振り向く。
「がんばって、橘さん」
そのまま図書室を出て行ってしまった。
きょとんとみつめる先輩が、悩みもせずぽんと答える。
「だから、一生懸命『好き』なんでしょ?…流星くんが」
ニコニコと悪気なく断定する先輩。
その言葉の意味を、あたしはようやく理解する。
「ちょ、ちょっと待ってください!
あ、あ、あたし…べつにリュウセイのこと……っ!」
思わずガタンと椅子を揺らして立ち上がってしまう。
さっきまでピーピー泣いていた自分が嘘のようだ。
でもあたしの顔は、恥ずかしくて今にも爆発しそうなほど熱い。
おかげで図書室にいる人たちにジロリと睨まれるはめになってしまって、おとなしく腰を落とす。
目の前では、先輩が身体をくの字に曲げて必死に笑うのを耐えている。
あたしが困っているというのに。
「せ、先輩のせいですからね!」
小声で抗議をあげても、先輩はさらに笑うだけだった。
実は先輩ってば、イイ性格してるわよね!
だんだん怒りへと変わりそうなあたしは、いつの間にか拳が震えていた。
「ご、ごめ…っ!…ぷ、くく…っ」
ゴホンと咳払いをして若干ニヤつく顔を整えると、先輩は「まあ…」と言葉を続けた。
なんだか誤魔化された気がするけどね。
「彼なら…きっと一緒に向き合ってくれるよ」
先輩は、そう残して席を立つとチラリと振り向く。
「がんばって、橘さん」
そのまま図書室を出て行ってしまった。


