授業中、柄にもなく内職していた。
白河さんに教えてもらったとおりに石を通していき、もうすでに完成まであと一歩というところまできてしまった。
あたしってば、なにやってるんだろう……。
そんな虚脱感が支配していたものの、意固地なあたしはその手を止めることが出来なかった。
午後の授業も鐘の音ともに終了すると、まだ整理のつかない頭を冷やすため席を立つ。
「橘さん、ブレスレット……」
気にしてくれていた白河さんが声をかけてくれたのだけど、あたしは愛想笑いを返すしかできなくて。
いつの間にか足は、あの図書室に来てしまっていた。
昔はここの扉を開くことすらドキドキした。
日差しが窓に反射して、その光がこの図書室を照らす。
そしてその中にはあたしが憧れていた彼もいて、この空間はいつもふわふわと雲の上を歩いているような気分にさせていた。
先輩に気持ちを伝えてから来ることもなかった…。
カラリと乾いた音を立てて開いた久々の扉の重さに、どこか懐かしさも覚える。
司書のおじさんも、この時間は裏の部屋に戻って仕事をしていることは知っていた。
忍び込むようにこっそりと足を踏み入れると、すこし柔らかい絨毯の感触。
「……懐かしい」
あたしが思わず口を開いてしまった。
誰もいないと思っていたから、あたしは驚いたんだ。
「あれ、お客さん?」
白河さんに教えてもらったとおりに石を通していき、もうすでに完成まであと一歩というところまできてしまった。
あたしってば、なにやってるんだろう……。
そんな虚脱感が支配していたものの、意固地なあたしはその手を止めることが出来なかった。
午後の授業も鐘の音ともに終了すると、まだ整理のつかない頭を冷やすため席を立つ。
「橘さん、ブレスレット……」
気にしてくれていた白河さんが声をかけてくれたのだけど、あたしは愛想笑いを返すしかできなくて。
いつの間にか足は、あの図書室に来てしまっていた。
昔はここの扉を開くことすらドキドキした。
日差しが窓に反射して、その光がこの図書室を照らす。
そしてその中にはあたしが憧れていた彼もいて、この空間はいつもふわふわと雲の上を歩いているような気分にさせていた。
先輩に気持ちを伝えてから来ることもなかった…。
カラリと乾いた音を立てて開いた久々の扉の重さに、どこか懐かしさも覚える。
司書のおじさんも、この時間は裏の部屋に戻って仕事をしていることは知っていた。
忍び込むようにこっそりと足を踏み入れると、すこし柔らかい絨毯の感触。
「……懐かしい」
あたしが思わず口を開いてしまった。
誰もいないと思っていたから、あたしは驚いたんだ。
「あれ、お客さん?」


