【短】流星☆ＢＯＹ〜星に願いを〜

「…ま…さか、だってリゲルは……」

　リュウセイの声は震えていて、動揺しているのは顔を見なくてもわかる。


「本当は口止めされてたがな。…お前がいなくなって、リゲルには居場所がなくなったんだよ！」


　吐き捨てるようなベティ。

二人だけが時間が止まってしまったようだ。


「リュウセイ、お前が必要なのは本当にこの女なのか？」


　一言ずつが胸に突き刺さる。

すごく悔しくて、哀しかった。


　でも、リュウセイのキモチを考えるだけで、あたしの涙腺は限界まできていた。



「お前はリゲルが好きだったじゃないか！」



　風の音が鼓膜を刺激する中で、ベティのナイフのような言葉はもうあたしに全てを語っていたようだった。


「…お願い……」

　リュウセイの呟く声は、ひどくかすれていた。



「お願いだから、帰って………ベティ」


　そのまま強い力で腕をひかれたあたしの頬は、やけに熱かった。



　なんにも話さないで、昼食をとることすら忘れてしまったあたしたち。


手の甲には、くっきりと傷跡が残ってしまっているのに。



　それがイケナイ罰のようにしか、いまのあたしには見えなかった。