静かな中庭では、風に押されてそよぐ落ち葉と草木の音とベティの声しかしない。

胸騒ぎがするのに聞くのをやめられない。


「リュウセイを変えたのは……」


 まるで中毒にかかったように聞き入っていたあたしは、奥歯をギリリとかみ締めていた。




 あざ笑うかのようにベティは言い放つ。





「RG-0708……リゲルだよ」





 それがどういう意味を持つのか。



このときのあたしには、さっぱりわからないでいた―……