その友人も彼氏さんの友人と楽しそうに話している。そういうのが苦手な私は近づきにくかった。同じ高校でも他の参列者はみんな先輩で、お互い知ってはいても親しいわけではなかった。
「送ってくよ」
「いいです! 大丈夫です!」
「一緒に帰ろう。夜だから心配だし」
「……はい。じゃあお願いします」
この間のこともあって、椎名さんに優しくされると甘えてみようかなって思えてしまった。
椎名さんに続いて建物の外に出た。
引き出物の紙袋を私の分まで持ってくれて、慣れないヒールに疲れてゆっくり歩く私のペースに合わせて、椎名さんもゆっくり歩いてくれた。
「夏帆ちゃん家どっち方面?」
「あの、えっと……上りです」
「そう」
私と一緒に電車に乗ろうとする椎名さんに焦った。
「大丈夫です! ここまででいいですから!」
「家の近くまで送るよ。荷物重いでしょ」
「でも……」
「その格好じゃ大変だよ」
ホームは混み合っているし、来た電車の中も座れる席はなさそうだ。汚したくないドレスにヒールを履いた私には負担が少ない方が助かるのだけど。
「迷惑じゃないですか?」
「全然。少しでも長く綺麗な夏帆ちゃんを見ていたいから」
何も言い返せない。今そんなことを言うなんてずるい。弱っている私の心を惑わせるから。
電車のドアの横に二人で立った。
私は手すりに掴まって、椎名さんは片手に荷物を、もう片方の手でつり革に掴まった。
また二人きりになってしまった状況に戸惑い、背を向けてひたすら窓の外を見ていた。早く家の近くの駅に着きますようにと強く思いながら、後ろに立つ椎名さんを意識していた。



