落ちる恋あれば拾う恋だってある






『今日来る?』

数日私から連絡するのを控えていたら修一さんの方から連絡してきた。
ほら、私の電話を無視しているのに都合よく呼び出すんだから。

『行けたら行きます』

そっけない返事かもしれないけれど今の私にはこれが精いっぱい。修一さんに会いたいけど、ほんの少し怒っている。

『夏帆に会いたい』

そんなことを言われたら単純な私はその言葉に揺れてしまう。そういうことなら私も修一さんと話をしよう。

『分かりました』

『今日はパスタ系が食べたい』

要望メッセージに対して返信はしなかった。





私が作れるパスタのレパートリーは少ない。修一さんに食べさせる自信のあるものはなかったから、たらこスパゲッティーなら失敗しないだろうと思った。

修一さんの家に行ったらやっぱり部屋には変わらず段ボールがあって、食器はいつから洗われていないのか分からないほど汚れがこびりついたままシンクに置かれ、洗濯カゴには衣類が山積みになっている。うんざりしてしまう。

やっぱり私を呼んだのってこのため……?

シンクの食器を片付けないと料理もできないし、テーブルだって物が置かれたままで食事もできない。

「ただいま」

「おかえりなさい。修一さん、今夜は外食にしませんか?」

修一さんがリビングに顔を出すと、私はすかさず外食を提案した。

「え? どうして?」

「最近外で食事してないし、たまにはいいかなって」

「そう……僕は夏帆のご飯が食べたいんだけど……」

修一さんは外に行くことに乗り気ではないようだ。でも今夜の私は修一さんの望む彼女にはなれそうにない。
一応スーパーに寄って買い物はしてきた。作るには作れるのだけれど……。