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俺には子供の頃から夢や目標なんてものはなかった。学校へ行って帰ったらゲームして寝て起きてまた学校へ。
やりたいこともないのに何となく大学に行き、何となく生活して気づいたら就活の時期になっていた。

当然と言えば当然なのか就活もうまくいかず、最終的に数年バイトしていたスーパーマーケットに一応正社員として採用してもらった。
そんなわけだから卒業しても特に変わらない毎日を過ごしていた。

唯一の取り柄というかは分からないが、顔の見た目が良いせいか学生時代から女には不自由したことがない。暇なときに遊んでくれる女もいたし、就職してからはバイトで入ってくる女子大生と適当に付き合った。
面倒なことといえばパートのおばちゃんに色目をつかわれたことくらい。

野菜を店頭に並べ、段ボールを折り畳む毎日に変化などなかった。そんな生活を3年続けた。

この先の俺の人生、何か楽しいことがあるんだろうか?

ふと疑問と不安が頭をよぎった。一度それらが生まれると、俺は思いきって仕事を辞めた。

単発のバイトをしながらネットの求人を眺め、ハローワークに通う日々を送った。
やりたいことなんてそう簡単に見つからなかった。勢いで辞めてから後悔した。

セミナーに参加するためハローワークに通っていると、他の求職者の顔も覚えてきた。俺より年上らしいのに親同伴のやつや、年下で金髪に鼻ピアスの女まで。
若年層を中心に斡旋しているハローワークはネット転職が普及した今でも利用者は多かった。セミナーの参加者は意外といるのだ。

その中でも同じ時間に検索コーナーで会うことが多い高校生にも見える女がやたら目についた。