修一さんの家に着いても本人はまだ帰ってきていなくて、初めて合鍵を使って中に入った。
この間来たときと変わらず部屋には段ボールがあって、新聞と郵便物がテーブルに無造作に置かれていた。シンクには食器がいくつか置きっぱなしで、脱衣場には洗濯カゴいっぱいに衣類が入っていた。二人で洗濯したときを最後に洗濯機は使われていないようだ。
修一さん、洗濯もできないほど忙しいのかな?
部屋をよく見ると所々ホコリも溜まっている。ベッドには脱ぎっぱなしの服が放り投げられていた。
修一さんのことをだらしないとか適当な性格だとか言われて不思議に思ったのだけど納得してしまった。完璧だと思った修一さんにも欠点はある。
とりあえずカレーを作り始めた。煮込んでいる間に溜まっていた食器を洗って、軽く部屋の掃除をした。
「ただいま」
「おかえりなさい」
「あ、いいにおいする!」
修一さんは帰ってくるなり真っ先にキッチンに来て鍋を見た。
「あと少し煮たらできますから。先にお風呂入りますか?」
「うーん……あとでいいや。あれ? 掃除してくれたの?」
「はい。すみません勝手に」
「ありがとう。助かる」
「いえ」
掃除なんていつも家でしていることだもの。少し恋人の家をキレイにすることくらい嫌じゃないし。
カレーを食べてから修一さんと一緒に食器を洗った。
「今夜も泊まってく?」
「えっと……」
このまま泊まっていくということは、修一さんと同じベッドに入るわけで。そうするとこの間のような流れになるのかな? なんて予想してなかったわけじゃないけど。
「夏帆が嫌なら今夜も何もしないし」
修一さんが笑いながら言う。



