「これ以上くっついてると我慢できなくなりそうだから、夏帆に触れるのはほどほどにするね」
「はい……」
大事にしてくれる気持ちが嬉しくて、体の緊張をコントロールできないことを残念に思う。
「夏帆、ちょっと待ってて」
修一さんはベッドから下りるとリビングに行ってしまった。
何だろうと少しの間待っていると、戻ってきてベッドに腰掛けた。
「これ」
修一さんの手には小さく光るものが載っていた。
「これって……」
「いつでも来ていいから」
私の手を取って鍵を握らせた。
「僕忙しいから会社でもあんまり会えないし、疲れて帰ってきたら夏帆が居てくれると嬉しい」
「ありがとうございます!」
修一さんの家の合鍵をもらってしまった。握った小さな金属が大切な宝物に感じる。
こんなにも幸せでいいのだろうか。
「先にお風呂入ってきな」
「はい」
シャワーを浴びて浴室から出ると、バスタオルがないことに気づいた。
「修一さん」
「何?」
大きめの声で呼ぶとベッドルームから修一さんの返事が聞こえた。
「タオルお借りしてもいいですか?」
「あ、ごめん。洗濯機に入ってるから、そっから出して使ってくれる?」
「はい……」
目の前のドラム式洗濯機の扉を開けてバスタオルを探した。
複数枚のタオルやスウェット、そして修一さんの下着も見てしまった。
バスタオルを出して洗濯機の扉を閉めたところで修一さんが洗面所に来たから慌てて体をタオルで隠した。
一瞬タオルで隠した私の体を見て「ごめん!」と慌てて目を逸らす。
「乾燥機かけたまま畳んでなくてごめんね……」
「いえ……」
忙しい修一さんは洗濯をする時間もないのだろう。



