「完全に寝ぼけてるね」
「すみません……」
恥ずかしくてタオルケットを鼻まで引き上げる。
「今何時ですか?」
「5時」
「早い……よかった、仕事間に合いそう」
「一度家に送っていくね」
「ありがとうございます……でも私床で寝たはずですけど……」
「俺がベッドに載せた」
「え? じゃあ椎名さんも? 私と一緒に寝たんですか?」
「うん。俺んちタオルケット1枚しかないし、まだ夜は肌寒いかなと思って一緒に寝た」
あまりに恥ずかしい状況に体中が熱くなる。
「いつもなら……こうやって簡単に部屋に連れ込まれたりしないのに……」
正式に付き合っているわけじゃない男性の部屋で寝るなんて無防備すぎる。
「知ってるよ。断れない夏帆ちゃんの性格を利用してる」
いじわるな笑顔を向けるから恥ずかしくて頭までタオルケットに潜る。
「でも何もしてないから大丈夫だって」
頭の上から椎名さんの笑う声が聞こえる。
「寝顔は堪能したけど」
意地悪く言うからタオルケットを巻き込みながら椎名さんと反対に体をよじる。
「ちょっと」
タオルケットから体が出た椎名さんは後ろから私を抱きしめた。
「椎名さん!」
「もうすぐ離れるんだからもうちょっと……」
そう言って私の髪を撫でる。
「よく寝れた?」
「はい。ぐっすりです」
ベッドに運ばれた記憶がない。よほど熟睡だったのだろう。
「ならよかった。俺は全然寝れなかったけど」
「え? 狭かったですか? すみません……」
「あー、いや……夏帆ちゃんの横は結構拷問だわ」
「私、寝相悪かったですか?」
「そうじゃなくて……俺の理性が……」
「どういう意味ですか?」



