女一人殺せない。 ここまで貧弱な男だったとは、えつこも思っていなかった。 それにいつ死ねるかわかりもしないのに苦しいことをするほどの体力も気力も、えつこは持ち合わせてない。 「…絞殺はだめ。悪いけど、他の方法を探してくれる」 とうとう嫌気がさし、そう言った。 えつこの自殺は先に持ち越されたのであった。