「嫌だね。離さない。だっておまえ逃げるし。」 真面目な表情でそう言われる。 「あ…ぅ……」 真面目な表情をされるのは少し苦手。 どう返したらいいかわからなくなるから。 「お前、黙ることもできるんだな。できれば一生黙ってろ。」 俯いてる私に向かってそう言う性悪男。 「は⁉︎ 一生とか無理だし!ってかあんたは私をなんだと思ってんの⁉︎ 黙ることくらいできるわ!!」 そう言って、力づくで手を離す。