ティッシュやその他、適当に買って店を出る。



「あ、日野くんっ!」



すると、女の無駄に甘ったるい声が俺を呼んだ。


声の主を見てみると、確か同じクラスの山なんとかってやつだ。



「私だよ、わかる?山本 美紅。」



濃いメイクやわざとらしい上目遣いをするコイツは嫌いなタイプだ。



「あぁ…で、なんか用?」



すると山本はニコニコ笑いながら俺に抱きついた。



襟元をつかんで引き寄せられる。



そして、キスをしてきた。




一瞬、頭が真っ白になる。



だけどすぐに引き離す。



「テメェ、何やってくれてんだよ。」



キッと睨むと山本はニコッと笑って近くにいた女から携帯を受け取った。




近くにいた女は山本に携帯を渡すとそのまま帰っていった。