「なに、おまえ、意識しちゃってんの?」



からかうようにそう言ってくる性悪男。




「だって……しょうがないじゃんっ!」




ギュッと唇を噛みしめる。



「しょうがないっておまえ……」



性悪男は呆れたように言ってから、私の手を掴むように繋ぐ。



「っ、手……!」



「は?なに?普通だろ。付き合ってんだから。」



ギュッと力を入れて握ってくるのはズルいと思う。