「は?惚れてねぇよ。惚れてあげたんだよ。おまえ、かわいそうだから。感謝しろ。」 な、なんて上からなんだ……しかもかわいそうって、ひどくない? 「はいはい、感謝しますよ。」 だけど実際、こんなモテて女嫌いなやつが私を好きになってくれたこと自体、嬉しくて。 「……早く泣きやめよな。」 性悪男はそう言って、まだ止まらない私の涙に苦笑しながら、 指で私の涙を拭き取ってくれた。