「ダメ……?」



上目遣いでしかも涙目でそう言われたら断れねーだろうが。



「わかったよ!ただし、俺にうつすなよ。」




そう言ってやると相川はパァっと顔を輝かせた。




「ありがとっ!ふふっ、日野くんは優しいね。」



「は⁉︎ 優しくねーよ!」



「ふふ、そっか。ん、おやすみ…」



そうしてコイツは眠りについた。



……俺の手を握りながら。




その10分後、俺はそっと手を解いて家に帰ったのだった。