ギイッと椅子と机の軋む音が、二人しかいない保健室に響く。








 
 「そいつには気をつけろ」

 「は?」


 いきなり何言い出すんだ、この人?


 「無視した方が良いと言ってるんだ。じゃないと君は近い内に死ぬ」


 少し三白眼気味な目を真っ直ぐ私の方に向け、リイチ先生ははっきりと言った。
 

 「なんでですか?!なんで今までずっと一緒だった親友と関わっちゃいけないんですか?!」


 「んー……、勘、かな?とにかく離れた方が良い。
 僕の勘が信じられないの?」


 「……っ、勘だけでロアと絶交なんて出来るかっ、馬鹿ーーっ!!」

 
 私は失礼しましたも言わずに勢い良く保健室から飛び出した。

 ロアと離れるくらいなら、死んでもいいと思ってるくらい大好きなのに。
 ロアも同じくらい私のことが好きなのに。 


 前言撤回だ。やっぱりリイチ先生なんか嫌いだ!