次の日。六月二十一日。


 「レウちゃん!!大変だよ!!」


 尋常じゃない慌てようでロアが走って来た。

 私は机に突っ伏していた顔を上げる。


 「ど、どしたのロア」

 「三組の田中さん、例の殺人事件に巻き込まれて死んじゃったって!!」

 「おぅぇえぇぃ?!」


 思わず変な声が出てしまった。口元を抑えて言い直す。


 「えぇ?!」

 「昨日あんな事陰で言っちゃったけど、ちょっとねえ……」

 「うん……お気の毒だわ」


 ごめんなさいの意味を込めて、私は悼むように手を合わせた。






 「あ……それと、こんな時になんだけど、コレ。」


 鞄から何やらゴソゴソ取り出すロア。


 「この前レウちゃんが欲しがってた新発売のCD!買っておいたよ!」

 「マジで!?うわー、ありがとおおお!!ロア大好き!!!!!」


 いつ私の欲しかった物を知ったんだろう。嬉しい!!












 「レウちゃんの幸せは、私が全てあげるから……昔のことで落ち込まないでね?」


 呟いたその一言が、私の胸の奥深くに届いた。

 ロア、ありがとう。

 あの時のショックは今も続いてるけど、ロアのおかげで少し和らいでるんだ。