え、何これ、何が起こってるの……?


「ふふ」


目の前でリイチ先生が微笑を浮かべてる。

私、地面に押し倒されたのか……?


「流石、あの人の娘なだけあるね。全然気づいてなかったのかい?」


風で、リイチ先生の髪がなびく。

あ!


「先生、傷……」


先生の頬には、痣みたいな傷が刻まれていた。

記憶の中で、先生の頬の傷と昔見た忘れもしない犯人の傷が重なる。


「……先生が、母さんと……父さんを、殺し……た、ん、ですか……」


私を見つめる先生の瞳が、スッと生気を失う。

信じたくない。

自分の記憶違いだと思いたい。

お願い……

嘘だって言ってよ!!





「そうだよ」





途端に、目の前が真っ暗になる。

元々暗いから、もう何も見えないくらいだ。