お姉さんからタオルを受け取ったロアと一緒に手洗いうがいをした後、私の部屋に直行した。


 『LEU ROOM』(レウの部屋)


 という札が掛かってる隅の部屋が私の部屋。


 二人で髪を拭きながら、部屋に入る。


 「おじゃましまーす」

 

 布団と学習机とゴミ箱とクッションくらいしかない殺風景な部屋。

 この施設はあくまでも『居場所が無いものに与える居場所』だから、贅沢な暮らしは出来ない。でも、私はちゃんと暮らせればそれで良いから、他に余計な物を求めたりしないんだ。

 だからこんな女子力の欠片もない状態になってる……。



 「御免、こんな部屋で……」


 トトトっと楽しそうに部屋に入るロアの背中に、私は申し訳なくなって言った。


 「んーん、レウちゃんらしくていいと思う!」


 どーいう意味だ、それ?!
 長年の付き合いだけど、さらっと失礼だぞ、ロア!!



 ロアは吸い込まれるように掛け布団の上に行き、丸くなった。


 「……レウちゃんの匂いがして、落ち着く……」


 「え?」


 「レウちゃん」


 「え?え?!」


 「私、レウちゃんが大好きだよ」


 「急にどうした?私もだけどさ」


 「……ふふっ」


 ロアは意味深な笑みを浮かべて、そのまま眠ってしまった。



 あの、ロアさん。明日、学校なんですけど。