―ある日―

ぴたっ

「!?」

圭さんの手が、左の頬に触れる。

少し、瞼がふせってる。
心配、してくれてる、の…かな??

「圭さんの手、冷たいんですね」

「あっ、悪りぃ」

手が離れる。

「いえ、気持ちいいです」

きょとっとする圭さん。

「……そう」

穏やかに笑う圭さんは、こんな状況なのに、少し、儚げで、でも不思議と、安心させられる。

「そういえば、何か…」

「ん。用意が出来たって、竜彦が」

「……はい」

ついに、この街を出るんだ。
ここから、どこかへ。


なぜか握っていた銃を見て、

………覚悟は、決まった。