―ある日―

「小夜、誕生日おめでとう。はいこれ、お父さんとお母さんからよ」

「ありがとう!何?開けていい?」

どうぞ、と手振り。
その小さな箱の、リボンをほどいて開ける。

「!!…これ」

中に入ってたのは、ピアッサーと小さな赤い石のピアス。

「……あんなに反対してたのに、いいの?」

「もう2年生になったしね。お父さんもいいって☆」

小声で、お父さんが選んだのよと言って、ウインクする母。
ちょっと照れ臭そうに、目をそらす父。

「あっ、ありがとう!お父さん、お母さん」

……………

「小夜」

ふっ

目を開ける。
圭さん?
…私……寝ていた??

「平気?」
「あっ、はい。なんか、夢見てました」
「夢?」

うなずく。

「お父さんと、お母さんの…」

「………そう」

私の誕生日、そんな前じゃないのに、なんだろう……とても、昔の出来事みたい………。