―ある日―

…………………


やっと、少し、落ち着いてきた……。
けっこう、長く、泣いていたのに、まだ、いてくれてる。

「ど、して、……私……って、わかったん、ですか」

「その拳銃、本物だよな。………弾、減ってるし。それに……靴」
靴?
何か………

!?!!!

血ッ!!
血だッ!!!
靴に、血が、こんな、付いてた、なんてッ!!

「あっ………!!!」
「まぁ、こんなご時世だし、驚かないよ。オレも、……殺った身だしね…………消化しないと、動けないだろう?………」

えっ!?
まさか………

「塚先輩が、言ってた、死体って……本当、に?」

「…そう。あいつタイミング悪りィんだよな……」

う、そ………
そ、んな…………
ほんと………なんだ…………
でも………

「二日、前って………ど、して、学校、に」

「ん………忘れ物、取りにね。ついでに見納めでも、って来たら、君と鉢合わせたっと」
「忘れ…物?」

こっちを見ずに、何か……ポケットから、取り出した。
なんだろ?

「コレをね……」
「?………」

少し、先輩に近付く。
これ………
「ナイフ?」