―ある日―

「………」

付いて、来ちゃった…。
知らない、先輩、なのに……。

この人が、山本、圭、先輩……。
すごく、普通な感じの、人、なのに………行方不明、って、ウワサ、知ってるのかな?

「そんなに、オレめずらしい?」
「あっ!いえ、そんなじゃッ」
「それとも、なんか、ウワサでも流れてんの?」
「!」

心、読まれたッ!?
心拍数が跳ね上がるのを感じた。
変な汗が出てくる。

「………分かりやすい反応だな」
「あっ、やっ、その」
「いいよ。どんなウワサ?」

柵にヒジをついて校庭を見てる。
なんだか最初に見たのと、印象違う?

「行方不明、で……一家心中、とか…夜逃げ、とか」
「なんだ、ありきたりだな」

笑った?
でも……とても、人を殺すような人には………!!

「……ァ………ァァッ…………」
思い出す。違うっ!!忘れてたわけじゃないけど、鮮明に……。

また、体が震え始める。