―ある日―

「圭くん」

いきなりで少しビビる。

「やめろって」

振り向く。

「ああ、ごめん」

少し、重い顔をしてるのに気付く。

「どした」

「圭くんさ、なんか悩んでる事とかあるだろ」

…………。

ああ、なるほどね。

鋭いな。

相変わらず。

そうゆうとこだけは。

「なんで?」

「いや、何となく、だけど……」

……たくっ。天然だな。やっぱ、お前。

「そんなん、いくらでもある」

「そうじゃなくて、そうゆうんじゃなくて……」

やめろよ、そーゆー面。

なに、必死んなってんだよ。

オレなんか、どうでもいいだろ。

そうゆうポジションにしとけよ。

タコ。

「俺にさ、なんか、出来る事あったら、迷わず言ってくれよ」

あ~あ、お前って本当……。

たくっ。

「俺で良ければ、相談とか乗るからさ」

………………。

「正志」

「うん?」

「サンキュー」

「?」

呆けた顔しやがって。

こんなヤツ放っといてクラスに入る事にする。