「なんであの日、君を痴漢から守れたか知ってる?」 「え?」 「たまに見かけてたんだ。電車のなかで 気になってたから。思わず見てた」 「嘘─────……‥‥」 「俺からは照れちゃって、連絡できなかった。 けど、君から連絡してくれて ごめんね、こんな頼りないやつで。 俺のプロポーズ受けてくれてありがとう」 徐々に霞がかったように、 あっという間にタクは消えてしまった