杏ちゃん、結婚しよ




「……え?」



「やっぱり…死んじゃうの?タクって。
だからあたし、こんな夢…
タクとの幸せな夢ばかり見るの
タクがみせてくれてるんでしょ?
嫌だよ。夢なんてやだ
死なないで……
離れてほしくないけど、
このまま透けてるタクでもずっと話してたいけど、
本当はタク…何か気がかりで魂がこっちに、来ちゃったんだよ。
あたしと結婚しなきゃって思うあまりに、あのとき死なないで、ここに来てくれた」



口が…止まらない



やっと分かったんだ





「結婚してください」


「本当に?いいの?」


クローゼットから、指輪の小箱を持ってきて


静かにはめた


「似合ってる」


「ちょっと大きいよ」