ねえ好きって言って 【完】

「やっぱ零太に恵恋は渡せない」




そう言って俺を睨んでいた。




は?
何、言ってんだよ。




「俺は恵恋を悲しませたりなんかしない、涙なんて流させない」




「凪くん…」




恵恋はこの状況に
少し戸惑っている様子だった。




「だから恵恋!零太じゃなくて俺のところへ来いよ!」




凪は恵恋の腕を
掴んでいた。




「おい!凪!さっきから何勝手なこと言ってんだよ」




恵恋はキョロキョロと
俺らのやり取りを見ていた。