オタク女子の王子様はスマホの中から飛び出した!?①






「ごめんなさいっ!

 私ったら、つい!

 ひなたに彼氏ができたなんて嬉しくて

 ペラペラとプライベートなこと

 聞いてしまって。」


『いえ。気にしてません。

 両親の死は、もう気にしてないんで。』


私は茫然と先輩を見つめる。

昨日初めて出会って

無理難題な条件を出された上

勝手にカレカノだと言われ

挙句の果て

あんなことやこんなことまで

してこられたと言うのに

先輩のことを知らなさすぎる自分が

何故か嫌で

胸の奥がチクリと痛んだ。