「あら。そんなご丁寧に。

 いいのよ。そんなこと。

 今日、こうして会えたんだから

 構わないわ。」


『ありがとうございます。』


にっこり笑う宮代先輩は本当に

悪魔だと思う。

本性を知らないって本当に怖いことだなぁ。。


『それより、このトースト

 本当においしいです!

 俺の家、両親ともいないんで

 こうした手料理って

 なんだか温かいですね。

 久々です。』


「あら、ご両親

 共働きか何かなの?」


『いえ。

 死んだんです。

 俺が4,5歳の時。

 もう昔のことなんで

 いちいち何年前とか

 覚えてませんけどね。』


そう言ってほほ笑む宮代先輩の眼は

それまでと違って どこか儚くて

切ないものだった。