「・・・。え?」
石崎がきょとん。とする。
なんだかんだ、毎日
一緒に登下校していたんだ。
それは不思議に思うだろう。
『俺たち、付き合うことになったから。』
「ちょ、ちょっと、先輩っ!」
私は真っ赤になって慌てる。
「え・・・黒辻が・・・?
付き合う・・・???」
「・・・えっと、だから、その。」
「おめでとう。」
「・・・え?」
突然の祝福の言葉に戸惑う。
「お前も、とうとう
リア充かぁ!びっくりだわ。
先輩!この2次元オタクを
よろしくお願いします。
じゃ。先帰るな。お先。」
え。え・・・。え!?
あっけない石崎の反応に
ついていけない。
『ありがとう。
じゃあね。石崎君。』
石崎は終始、笑顔だが
その笑顔は今まで見たことのない
笑顔のような気がした。
私に、その笑顔の意味が分かるのは
今から、そう遠くない先の話・・・。

