・・・キーンコーンカーンコーン
チャイムだ。
私は真っ白な保健室の天井見る。
あまりぐっすり眠れなかった。
「先生。黒辻、どうですか?」
放課後になったみたいで
石崎の声がする。
「ああ。そこで寝てもらってるわ。
だいぶ熱があったの。
本当、連れてきてくれて
ありがとうね。」
「いえ。」
そう言った石崎の足音が
コツン、コツンと近づいてくる。
「石崎・・・?」
声をかけると
ベッドのカーテンの隙間から
石崎が顔を覗かせて、
大丈夫か?と尋ねてくれた。
「大丈夫。」
「一緒に帰ろうか。」
「え・・・や・・・。」
何て言えばいいのだろう。
彼氏と帰る。なんて言えるわけがない。
かと言って正直に
宮代先輩と帰る。と言っても
不自然だ。
『あ、ごめんね。
君が石崎君だよね?』
先輩の声がして思わず反応してしまう。
「・・・あ。宮代先輩。」
いつの間にか宮代先輩も
保健室に来てくれていたようだ。
石崎に話しかける。
「そうっすけど。
朝の先輩っすよね。」
『ああ。覚えてくれてたんだ。
あ、それでさ。
黒辻さんなんだけど
今日から俺と登下校するから。』

