オタク女子の王子様はスマホの中から飛び出した!?①






私は保健室のベッドに寝かされて

静かに眠る。

一体、私はどうしてしまったんだろう。

今まで大して風邪も引いたことがないのに

突然熱が出るし

宮代先輩の傍にいると

もっと体温が上昇するのがわかる。


『ひなたちゃん・・・。

 帰り、心配だし

 一緒に帰ろうよ。』


「い。いえ。大丈夫です。

 帰りは石崎が

 送ってくれると思うので。」


『ああ、朝の彼?

 彼氏なの?』


「いっいえ!

 どうして私が石崎と・・・!?

 ただの幼馴染です。」


『じゃあ俺が一緒に帰っても

 問題ないよね。』


「・・・え?」


『だって俺たち今日から

 カレカノだもん。ね?』


「・・・へ?」


今なんて・・・?

聞き間違いだろうか。

カレカノ・・・?


『じゃ、放課後ねー。』


軽く手を振って

保健室を出て行ってしまった

宮代先輩を私は

何も言えずに見送るしかできなかった。